「いいものを見せてやる」
人気の少ない深夜の遊歩道を土方先生と手を繋ぎ歩いていた。
「綺麗…!」
行き着いたそこは沢山の蛍が飛んでいて凄く幻想的。
「千鶴と見ようと思ってな。」
柔らかく笑った土方先生があまりにも綺麗で私が思わず目を逸らせば優しく抱き寄せられた。
*「深夜の遊歩道」で登場人物が「愛される」、「試験」という単語を使ったお話を考えてください。(SSL)
@
「好きだ」
耳に直接甘く囁かれた声に、ふるりとひとつ身震いする。
低めの掠れがちのその声に、あっという間に心を満たしどうしようもなく頬も体も熱くなって。
「千鶴?」
あと何回そう言ってもらえるだろうか。
ふと過ぎったつまらない思いに首を振って。
気付いた彼にもう一度囁かれた。
「好きだ、千鶴」
A
「…好き、です…」
遠慮がちに囁かれた小さな声は、けれど確かにこの耳に届いた。
俯く姿も耳まで赤く染めた姿は可愛らしい以外の何物でもなく、たまらずその小さな体を抱き寄せる。
「俺もだよ」
返せば漸く顔が上がり、少し潤んだ瞳に捕われる。
だから同じ言葉を囁き返し惹かれるままに唇を重ねた。
『「好き」と囁いている』『土方×千鶴』
*繋がってはいません。別々のお話。@が千鶴ver.で、Aが土方ver.になっています。
何気なく呼ばれて土方先生を見ればふいに視界が暗くなって、温かな感触が唇に触れてすぐに離れた。
すぐに思考が追いつかなくて多分私は戸惑った表情をしている。
何があったか理解がいくと途端に頬が熱を持った。
だってまだ帰り道。恥ずかしい。けれど嬉しい。だから伝わるように握った手を少し強くした。
*オススメのキス題。シチュ:帰り道、表情:「戸惑った表情」、ポイント:「不意打ち」、「お互いに同意の上でのキス」(SSL)
桜満開の並木道、一人の女を探すように歩けば、切なげに桜を見上げている女が目に留まる。
記憶の中の姿と重なって100余年捜し求めた女だと魂が教えてくれた。
「千鶴」
名を呼べば驚いた、けれど泣きそうな表情で振り向いた。
肩を抱き寄せればまだ不慣れな様子で抱きついて来る。
「やっと逢えたな」
*お題は「不慣れな様子で」「肩を抱き寄せる」。キーワードは「再会」です。転生SSL(現パロ)
もうすぐ初夏。注ぐ陽射しは春にしては随分暖かい。
そんな陽射しの中繕いものをする千鶴を後ろから抱きしめる。
「もう蛍の季節ですね」
蛍の光に照らされた千鶴もさぞ綺麗だろう。
仄かに頬を染めながらも、身を預けてふわりと柔らかく笑う千鶴を見て思った。
「今度見に行くか」
「はい!楽しみです」
*お題は「柔らかく」「後ろから抱き締める」。キーワードは「初夏」です。(ED後)
静寂な中聞こえるのは、安らかな千鶴の寝息。
書き物をする俺の背中に甘えるようにもたれた温もりは何より温かい。
寂しい想いをさせたかと、筆を置いて起こさないように千鶴を抱き留めた。
無意識に俺の着物を握る手に腕の力を強くした。
「もっと甘えてくれたって構わねえのに」
額にそっと口づけた。
*お題は「強く」「背中にもたれる」。キーワードは「静寂」。(ED後)
ふと見つけたのは淋しそうにする横顔。
今日一日ろくに会話をしてねえ気がする。
長引いた会議から戻ってすぐ千鶴を抱き寄せた。
「あの、えと…」
「淋しそうな顔しやがって」
そう鼻先をつつけば肯定するように染まった頬。
「悪かった」
「じゃあもう少しこうしててください」
だから力いっぱい抱きしめた。
*お題は「淋しそうに」「鼻先をつつく」。キーワードは「今日」。(函館)
怖い夢を見た。
呼ばれた声に目を開けば柔らかく笑う歳三さん。
片方で優しく、両手のひらを触れ合わせるように握ってくれ、
腕枕してるもう片方の手で優しく髪を梳くように撫でてくれた。
「怖い夢を見ました」
「そうか」
「でも歳三さんがいるから大丈夫です」
「当たり前だろ」
綺麗に笑って口づけをくれた。
*お題は『「優しく、両手のひらを触れ合わせる」キーワードは「布団の中」』。(ED後)
重傷を負った土方さんを看病するのは二度目だ。
半身を起こす土方さんに労るように手を添えて支えれば、肩にもたれるように体を預けてくれる。
過去に傷を負った時との違いに思わずくすっと笑ってしまう。
「何だよ」
「嬉しいんです」
土方さんが気を張らずにいてくれることが。
こうして傍にいれることが。
*お題は「いたわるように」「肩にもたれる」。キーワードは「過去」
ただの流行風邪だ、そう放っておいたのがまずかったか。
ああこんな時はあいつに逢いてえなあ。
そう思った矢先に千鶴からメールが入る。
「おすそ分けです」
添付されていたのは虹の写真。
「先生にも見せたくなって」
それから
「もうすぐ着きますから」
と。
途端に頭痛が和らいだのは気のせいか。
早く来い。
*今日のお題は『虹』『頭痛』『流行』です。
慌てて目を逸らそうと顔を背けるそぶりを見せるから
「逃げなくたっていいだろう」
と綺麗に色づいたそれを捕まえる。
両手でその頬を包めば少しだけ彷徨った栗色の瞳が漸くこちらを向いた。
「だって…恥ずかしいんです…」
小さく紡がれた言葉は可愛い告白の以外なんでもなく、たまらずその唇に口付けた。
*『相手の頬を両手で包む』『土千』
「おい」
呼び止めればビクっと背中が震えた。
千鶴の手首を掴み半ば強引に顔を向かせるといつもより赤く、目が泣いてもいないのに潤んでる。
額に手を添えれば伝わる熱い体温。
「調子悪いだろ」
「だ、大丈夫です」
「どこがだ」
膝裏に手を回し抱き上げる。
「土方さん?!」
「倒れられたら俺が困るんだよ」
*お題は「強引に」「手首を掴む」。キーワードは「体温」
何度そう体を重ねていても千鶴はまるで初めてかのようにぎこちなく俺の指に千鶴の指を絡めてくる。
真夜中なのに明るい月明かりに照らされた千鶴は、今まで見てきた何よりも綺麗だった。
思うままに直接耳に囁いてやれば千鶴の瞳が微かに開いて恥ずかしそうに隠れる。
代わりに握った手の力が強くなった。
*お題は『「ぎこちなく、指に指を絡める」キーワードは「真夜中」』
涙を一粒でも零せば土方さんがそっと拭ってくれた。
仕方ねえなあと困ったようにだけど優しく笑いながら。
かつては人を斬り剣を持ち、そして筆を持ち新選組を守り
私を守ってくれたその頼もしい手は今は、私に幸せと温かいものをくれる。
繋ぐ手も嬉しくて。
離れるのが寂しくて仕方ないんですよ、土方さん。
*お題は『離れないで、離さないで・触れたら壊れてしまいそう・涙、一粒』から【涙、一粒】
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