多分俺もこいつと同じ目をしてるんだろう。
俺への愛に溢れた愛しい目だ。
頬に手を伸ばして悪戯に唇をなぞれば千鶴は綺麗に朱に染まる。
潤んだ瞳が閉じれば惹かれるまま唇を重ねた。
「好き…です」
「俺もだ」
合間に交わした言葉すら愛しくもう一度口付けた。
*土方×千鶴で、『土方が千鶴に口付ける』という、甘々でCERO:Aなお話
土方先生は私の左手を壊れ物を扱うかのようにそっと優しく取った。
何も言えず映画のようなシーンを見ていれば真っ直ぐな意志の強い紫の瞳とかちあう。
驚く程愛情が篭っていて鼓動が跳ね上がる。
目が合ったまま薬指に触れるだけのキス。
「ここは俺の場所だ」
甘く痺れる言葉。
見えない指輪を贈られたのだ。
*『薬指にキス』を土方がすると萌え。『壊れ物を扱うように』だと更に萌えです。
日曜日は先生と生徒から恋人同士になれる大好きな日。
なのに突然の雨。
通り雨かしばらくすれば空が晴れた。
「俺らみたいじゃねえか?」
先生が私の肩を抱き寄せてそう言った。「え?」
先生が指差す先には青空に描かれた模様みたいに大きな虹と小さな虹が二つ出ていた。
「本当ですね」
幸せを貰った気分だった。
*お題は『模様』『虹』『日曜日』(SSL)
抱き寄せた千鶴の額に唇を寄せたら上目の潤んだ瞳に捕まった。
物足りないのか唇にしてほしいのか
微かに恥ずかしさを見せながら淡く色づいた頬と揃って俺を誘う。
「なんだもっとちゃんとしてほしいなら言やいいだろ」
指の腹でつぅと柔らかな唇をなぞれば
ふるりと瞼が震えて瞳が伏せられ頬が強く色付いた。
*『おでこにキスをしている』『土千』
形ばかりの祝言を挙げて俺は始めて千鶴を抱いた。
千鶴は俺が初めての男だ。
破瓜の痛みの中
「凄く幸せなんです」
言葉に出来ない千鶴への想いが溢れた。
「千鶴…もう離さねえ」
「私も、です」
満面の笑みを浮かべながら俺の指先を折れんばかりに握る。
口付けに舌を絡ませ繋がりを深くした。
「好きだ…」
*お題は『「満面の笑みを浮かべながら、指先を折れんばかりに握る」キーワードは「初夜」』(ED後
嬉しそうに両手を触れ合わせて安心したように眠りについた千鶴に幼さが覗く。
ああ愛しくて仕方ねえな。
時に大人びて見える表情も気恥ずかしさに頬を染める顔も
女の色香を漂わせる姿も千鶴が見せる何もかもが俺の心を震わせる。
「大した女だよおまえは」
俺をここまで夢中にさせるのはおまえくらいだ。
*お題は『「嬉しそうに、両手を触れ合わせる」キーワードは「眠り」』
縁側でいつものように二人で寛いでいたら
歳三さんに手を引かれていつの間にか膝の上で抱きこまれている状態。
「あ、あの…」
「おまえの場所はここだろう?」
「…はい」
眩い光が遮られて歳三さんの綺麗な顔が近づく。
目を瞑るとすぐに柔らかな感触。
すぐ近くで愛しい人を感じられる距離が何より心地よかった。
*オススメのキスお題。シチュ:いつもの場所、表情:「目を瞑る」、ポイント:「膝抱っこ」、「お互いに同意の上でキス」(SSL)
書状を届けた帰り突然降り出した雨に土方さんは私の手を取って近くの家に走り出した。
雨に濡れた体にひんやりとした風が吹いて肌寒さを覚える。
変に意識をしてしまい土方さんと距離を置いていたら
繋がれたままの手が引っ張られて体が密着するように並ぶ。
「冷えるからいいからこうしてろ」
「……はい」
*『雨宿りして距離が縮まった』『土千』(屯所)
桜舞う雲一つない抜けるような青空が私達を祝福してくれてるみたいで。
彼が私の手首を優しく持ち上げ揃いの指輪を嵌める。
少しぎこちないように見えたのは彼も緊張しているから。
それから私の手に口付けた。
胸が詰まって泣きそうで、でも優しい彼の微笑みに幸せだと笑顔で答えた。
私は今日、彼のお嫁さんになる。
*お題は「緊張した様子で」「手首を握る」。キーワードは「青空」(SSL卒業後のイメージ/現パロ)
「千鶴!」
「土方さんどうしたんですか?」
「千鶴が心配でな」
「大丈夫ですよ」
子供じゃないんですからと千鶴は笑う。
千鶴が考えてるようなことじゃねえ。綺麗でいい女だ。
てめえのもんにしようとする野郎がいるだろうからな。
さすがにそれは言えねえが。
手を繋いで見せてやる。こいつは俺の女だってな。
*土方×千鶴で、『土方が千鶴を追いかける』という、仄々でCERO:Aなお話
名前を呼ばれて見れば伸ばされた手と少し悪戯にも見える笑顔と甘い声音。
土方さんが意図していることがわかり自然と顔が熱くなった。
「遠慮する必要はねえぞ」
土方さんはそう言うけどただ気恥ずかしい。
「そんなとこも可愛いがな」
声と共に引っ張られ気付いた時には土方さんにしっかりと包まれていた。
*『「おいで」と相手に向かって手を伸ばしている』『土千』
拙い動きで千鶴が縋ればそれが合図とばかりに重なった唇そのままに正面から押し倒す。
互いの瞳に鏡写しに互いの顔が映る。
「いい表情するじゃねえか」
潤んだ熱に犯された千鶴の瞳が羞恥に開かれ伏せられる。
「もう俺を見ちゃくれねえのか」
それから千鶴と耳に囁いて再び栗色の瞳に自分を映した。
*お題は「つたない動きで」「正面から押し倒す」。キーワードは「鏡」
私はこの日風邪で寝込んでしまった。
「すいません、ご迷惑かけて…」
「迷惑でもなんでもねえよ」
歳三さんはいつもよりぐっとやさしい笑顔でそう言ってくれた。
「不安そうな顔しやがって」
と歳三さんは私の頬を両手で包む。
「ここにいるから安心して休め」
それから切ない声で紡いだ。
「早くよくなれよ」
*『風邪を引いてしまった相手を看病する』『土千』
「痛っ」
千鶴の慌てた声が聞こえた。
「どうした?」
勝手場に降りれば千鶴は手を隠そうとする。
その手を取れば包丁で切ったのだろう指から血が出ていた。
「切ってるじゃねえか。」
「すぐ塞がっ…?!」
答えは聞かねえと指先を口に含むと千鶴は途端に顔を赤く染める。
「消毒だ」
ニヤリと指を舐め上げた。
*『怪我の手当てをしている』『土千』
唐突に別れを意識して心のずっと奥が凄く苦しくなる。
とても幸せなのに…それとも幸せだからかな。
自分の手のひらを握るようにぎゅうっと握った。
すると彼には気付かれないようにしたつもりなのに温かい腕の中に包まれた。
涙が落ちる。
「一人で泣くなと我慢するなと言ったろう」
それだけで十分だった。
*お題は『「泣き顔で、手のひらを握る」キーワードは「別れ」』(ED後)
←ここで書いてます。