誘われるように外を見れば、抜けるような青空に、麗らかな陽射し。
ぽかぽか春の陽気は、まさにお昼寝日和だ。
「歳三さん、今日は温かいですね。」
縁側で書物を読んでいる筈の歳三さんに、声をかけてみる。
どこにいても、わざわざ声を張り上げあげなくても距離。
それがどんなに嬉しいか。
あれ?
「……ん?ああ。」
彼には珍しく反応が遅れて返ってきた。
それも凄く気だるそうにしている。
もしかして、歳三さん眠いのかな?
繕い物の手を止めて縁側を覗いて見れば、
書物を持ってはいるものの、眠そうにしている歳三さんがいた。
「ふふ。」
「なんだよ。」
「眠そうですね。」
「そんなことは……ふわぁ…。」
言いながらも欠伸をしてしまい、歳三さんはバツが悪そうに視線を私から庭へと移した。
なんだか可愛く思えて、やっぱり笑ってしまうと、拗ねたような表情を作った。
こんな歳三さんを見れるのは、私だけ、そう思うとたまらなく嬉しかった。
ここに居を構えてから、いろんな歳三さんを
――それこそ、激動の時代の中では見れなかった表情も――
私しか知らない歳三さんを沢山見ることが出来た。
今日みたいな歳三さんもそうだ。
「今日はお昼寝日和ですよね。」
私も彼の隣に座る。
そこは一際陽射しがよく当たる場所だった。
ぽかぽかと眠りに誘うように、春の陽が注いでいる。
「だろ?」
歳三さんは書物を置いて、その手を私の腰に回す。
「わっ!」
突然引き寄せられて、私は体勢を崩してしまう。
そのままストンと落ちたのは、歳三さんの腕の中、私は一緒に縁側に横になっていた。
腕枕されたこの状態。
すぐ目の前には、綺麗な、けれど眠そうにしている歳三さんの顔がある。
一瞬あまりの近さに驚いて、頬が熱を持ちそうだった。
「えっ、えっ。」
戸惑っていると、ぎゅうっと力いっぱい抱きしめられる。
「歳三さん?」
「寝るか、千鶴。」
「へ?」
歳三さんはふわぁともう一度欠伸をする。
と、漆黒の彼の髪に、桜の花弁がついてるのを見つけた。
「歳三さん、髪に花びらがついてますよ。」
そっと手を伸ばせば、さらりと指通りよく彼の髪に滑り、桜の花びらを取る。
「もしかして、少し寝てました?」
「だから寝るんだろうが。」
むっとした声が聞こえてきた。
私も、降り注ぐ春の陽射しと歳三さんの馴染む体温とに、少しずつ少しずつまどろんでくる。
歳三さんが、そっと髪を梳きながら頭を撫でるから、尚更心地よくて。
「どうせ寝るならおまえとがいい。」
そう言って歳三さんはすやすやと気持ちよさそうに寝息を立て始めた。
安心しきったその表情は、私を笑顔にしてくれる。
ふわぁっとつられるように欠伸が出てきた。
甘えるように寄り添えば、寝ながらも腕の力を強めてくれて、その温かさに目を閉じた。
しばらくして起きた時、二人の髪に桜の花びらがついていて、顔を見合わせて笑い合った。
春の日のお昼寝はなんだかとても幸せな気分になれた。
ユキ様へ相互記念
「ED後設定、二人で仲良くお昼寝」
この度は相互リンクしていただきありがとうございました!
いただいたリクエストに応えられたえしょうか…。なんかすいません!
これからもよろしくお願いしますー!
こんなお話になってすいません。駄文でよろしければお持ち帰りいただけたら幸いです。
感想や苦情いただけたらと思います。というか、書き直しいつでも受けますのでおしゃってください!
また、お暇なときにでも、サイトに来ていただけたらと思います。