千鶴は大喜びで、はいと返事をした。
二人は教師と生徒で、二人きりになることなどほとんどなかった。
いや、なれなかった。教師と生徒が密室で二人でいた、それだけで色々な誤解を生み噂になることは予想できたからだ。
そういう事情で、土方は初デートはドライブにした。
ドライブならば、人目をあまり気にしなくてもいい、その土方の考えに千鶴も同意した。
「それで、今日はどこへ連れて行ってくれるんですか?」
「あー・・・そういや場所決めてなかったな。千鶴、どこか行きたいとこねえのか。」
一台の車の中で楽しそうに会話を進める男女の姿があった。
一人は切れ長の瞳が印象的な美形な男性。もう一人はきれいな黒髪の可愛らしい少女。
当たり前のようにその二人とは土方と千鶴である。
楽しそうに笑う千鶴に土方も優しく微笑み、思わず頭を撫でた。
「土方先生、私海行きたいです。」
「海、か。風もあるし肌寒いと思うが、大丈夫か?」
「大丈夫です!」
そう言って満面の笑みを浮かべる千鶴に土方は頷き、海に向かって車を走らせた。
着くまでの間、千鶴はずっと笑顔だった。
土方と二人きりでいられること、ずっと行きたかった場所に土方と行けること、幸せすぎてどうしようとニヤけるほど嬉しかったのだ。
土方の千鶴のその様子を横目で見て小さく笑った。
「わ、あっ。すごい綺麗ですね!土方さん。」
「ああ、そうだな。」
「あ!可愛い貝殻が落ちてますよ!」
千鶴が指差す方には、綺麗な貝殻が数枚落ちていた。
キラキラと光る貝殻をしばらく見ていた千鶴は我慢ができなくなったらしく貝殻が落ちている場所に走って行った。
目的の場所に着くと、腰を落とし貝殻を拾った。拾った貝殻を太陽の光に透かしてみると、先ほどの輝きが更に増した。
「綺麗・・・。」
「そんなに気に入ったのか?その貝殻。」
「・・・はい!」
「そうか・・・、なら記念に持って帰るか?」
「あ・・・、そうですね。ということは、初デート記念・・・ですね!」
可愛く笑いながら千鶴は言った。
土方は初デート、という単語に吹き出した。
改めて言葉に出されると何だかくすぐったかったらしい。
少し頬を染め、目を逸らす土方を見て千鶴はかわいい、と思いながらも言葉に出さずに小さく笑ってみせた。
「らぶれたー」ユキ様より相互記
「SSL設定で初デートの二人」とリクさせていただいたのですが、可愛らしい素敵な小説をいただきました!本当感謝です。
初デートを喜ぶ可愛い千鶴ちゃんとか、それを優しく見る素敵な土方さんとか、二人のほんわかした空気感がいいですよね。
この度は、このようなサイトと相互していただき、またこのんな素敵なSSを書いていただき本当にありがとうございました!!
これからもよろしくお願いします!
ユキ様のサイト「らぶれたー」には、他にも沢山の素敵な作品が掲載されています。
もし行かれる際には、マナーをお守りの上、こちらのから遊びにいかれてください。