あの日、ありがとうと笑いながら、さよならと呟いた――――……




でも、この季節になったらやっぱりあなたと過ごした日々を思い出す。
あなたがくれた、温かな深い愛情、優しい声、穏やかな瞳、綺麗な笑顔、抱きしめられた力強さ。
こうして、これからも、この季節になるとあなたとの日々を、手に取るように思い出す。



桜は今年も咲き誇る。
ざぁっ…と吹いた風が全ての薄桃の花びらを舞い上げた。

――千鶴

まるで、あなたに包まれてるみたい。
やっぱりあなたは桜の花がよく似合う。
舞う花びらの柔らかな感覚があなたの感触を思い出させた。

――ったく、本当によく泣きやがる
お前はすぐ泣くから、尚更置いていけない気がするんだよ

はらはらと、舞い上がった花びらが降りていく。

――千鶴



この季節にここに来れば、あなたに逢える…触れられる。
そうですよね?歳三さん。



――俺はおまえに惚れてんだよ
いつもおまえのことばかり考えちまう

春の桜の季節。
舞う桜吹雪の影にあなたの面影を見つけた気がした。
幸せ、を沢山くれた人。
今でもきっとあなたは私を愛してくれて、私も愛している。

――おまえの涙を拭うのは俺の仕事だ

あなたの笑顔をかみ締めて。

――千鶴

あなたのくれた笑顔が私の全てなんです。
だから、これからも私はあなたと一緒に生きていきます。

――おまえにはかなわねえな。
あぁ、逃げようたって離さないから覚悟しとけ












お題:もうすぐ別れを告げる恋 08.笑顔を永久に焼きつけて
「恋したくなるお題」サイト様より